セキュリティを楽しく学ぶ、触れる。セキュリティごった煮ブログ

ネットエージェント
セキュリティごった煮ブログ

 コース:元祖こってり

「元祖こってり」記事はネットエージェント旧ブログ[netagent-blog.jp]に掲載されていた記事であり、現在ネットエージェントに在籍していないライターの記事も含みます。

すれちがい通信におけるプライバシー保護

杉浦隆幸

ネットエージェント株式会社、代表取締役社長の杉浦です。今回は、いつものセキュリティネタとは少し離れてしまいますが、本日(2月14日)に絡めた内容としました。

-----

new_loveplus2月14日に絡めたセキュリティということで、普段の業務ではもっと高度な攻撃について調査しているのですが、今回は今年のバレンタインデーに発売されるnintendo 3DSの某ゲームに関する重要なプライバシーの保護として、ゲームを最大限に楽しみつつもゲームをプレイしていることが職場や学校で発覚しない方法について検討しようと思います。

3DSでは、これまでのDSとは異なり、すれちがい通信の設定を登録をしておくことにより、そのゲームをプレイしていない時でもすれちがい通信をすることができる機能が搭載されています。この機能のおかげで、仮に他のゲームをプレイしている最中であっても、あらかじめ登録されてあったゲームについてはすれちがい通信を行うことが出来ます。3DSが普及してきた今では、街中の至るところで様々な人と簡単に複数のゲームのすれちがい通信を楽しむことができるようになりました。

また、3DSにはすれちがった人のMii(自分で設定したアバター)が自分の3DSにやってくる「すれちがいMii広場」というコミュニケーションソフトがあらかじめ内蔵されています。やってきたMiiには、Miiの外見や名前とともに、住んでいる都道府県名、いつすれちがったのか、今までに何回すれ違ったのか、そして「さいごにあそんだゲーム」といった情報も付随しています。

実はここが問題なのですが、もしもこのさいごにあそんだゲームが他人には知られたくないゲームタイトルだった場合、リアルの人間関係が気まずくなる可能性があるわけです。

プレイしていることを周囲の人に知られたくないかもしれないようなゲームとしてよく挙げられるタイトルには、次のようなものがありますね(笑)。


  1. 2月14日発売 http://www.konami.jp/products/newloveplus/new.html
  2. 3月15日発売予定 http://www.d3p.co.jp/jktoxx_3ds/pc.html
  3. 発売中 http://www.ss-alpha.co.jp/products/moegd_3ds/

それでは、現実世界の人間関係を壊さないために(笑)プライバシー対策をしましょう。

対策1 無線設定スイッチを切っておく

対策2 すれちがいMii広場のすれちがい機能を設定で切っておく

一番確実なのは、本体右側にある無線スイッチを切っておくことです。万全を期したいという人は、職場や学校の関係者と合流しそうな地点に辿り着く前から切っておく。もしくは、事前にさいごにあそんだゲームを別のタイトルに変えておくために他のソフトを実行してから終了しておくべきでしょう。ですが、油断は禁物です。例えばさいごにあそんだゲームに「安全に使用するために」のような、普通あまり使わないであろうタイトルを選択してしまうと、この人はもしかして隠したいことがあるのではないか?と、かえって勘ぐられてしまうかもしれません(笑)。また、「何回すれちがった」というところも重要です。相手がもし自分に近い人であれば、その人とは何度もすれちがっているはずですね。何度もすれちがっているのに、さいごにあそんだゲームがいつも「安全に使用するために」になっていたり、いつも同じ無難な(笑)タイトルが表示されていたりすると、仮に怪しまれてしまったとしても仕方ないかもしれません。また、もちろんのことですが、こうして対策のために無線を切ってしまうと、本来の楽しみであるゲーム内で通信したい人たちとの通信もできなくなってしまいます。

ちなみに、何度か試してみたところ、このさいごにあそんだゲームが書き換わるのは、実際にゲームを起動後しばらくしてからのようです。きちんとテストしたわけではないのですが、フタを開いたままにしておくより、フタを閉めてスリープ状態にしたほうが確実に書き換わるように感じました。

一方、「すれちがいMii広場のすれちがい機能を設定で切っておく」という対策にも、ちょっとした落とし穴があります。

他のゲームですれちがった人をすれちがいMii広場に招待するという機能があります。もしゲームがすれちがい通信に対応していたなら、仮にすれちがいMii広場をすれちがい通信の対象と設定していなかったとしても、すれちがい広場にはそのゲーム内ですれちがった人のMiiが現れます。
そうすると、すれちがった相手には、たとえゲーム内の名前と登録されたMiiの名前が違っていたとしても、結局バレてしまうということになります。例えば今日発売されたゲームは本名で入力している人が圧倒的多数だと思いますので、いつもすれちがう人に自分の名前がバレてしまう、なんてことが起こるかもしれません。

ところで、「自分は3DSは持っていない」あるいは「すれちがい通信なんて利用せず、家で二人だけで遊ぶ」といった方には、こうした事はまったく関係ない話なのでしょうか。実はそうとは言い切れなかったりします(笑)。もしかすると誰かがあなたになりすまし、勝手にあなたそっくりのMiiにあなたの名前をつけて職場や近所をすれちがい通信しながら歩き回ることで、まるであなたが特定のゲームにはまり込んでいるかのような噂を作ってしまう、そんな嫌がらせをする人がいるかも知れませんからね。
あまりゲームにばかり夢中にならず、いつも周囲の人との人間関係を大切にしましょう。
ちなみに、当社では上記の嫌がらせのようなものは調査しておりませんので悪しからず(笑)。

メルマガ読者募集 採用情報 2020年卒向けインターンシップ

月別